都議会本会議傍聴記 民主酒井大史都議代表質問

12/7都議会本会議  一般質問
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/schedule/four.html

質問1、2、7略。回答者は青少年・治安対策本部長 倉田潤

青少年健全育成について

(3)不健全図書指定について

質問
不健全図書指定は青少年健全育成審議会ご候補をあげ、業界の意見をいれた上で指定している。この審査スキームはより丁寧に行っていただきたい。作品それぞれを吟味する個別指定は業界の振興のためにも有効。今後も包括指定でなく個別指定を継続してほしい。

回答
包括指定は描写の分量のみ。またその判断は業者が自ら行う。審査が迅速だが、業者の取り組み具合によってバラつきが出る。今後も包括指定は導入しない[明言確認。ここは重要!]*1

(4)旧条例改正案の修正について

質問
旧条例改正案には「蔓延抑止」第三章の三「児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物のまん延抑止に向けた気運の醸成及び環境の整備」の条文があり、販売規制につながるという批判があった。今回の条例改正案ではこの文言が削除されたが、批判をどのように受け止めて削除に至ったか。

回答
児童が容易に閲覧することのないよう「蔓延抑止」の条文をいれたが、成人の閲覧の抑制、表現自体への抑制につながるという批判があり、それを受けて削除した。

(5)条例改正案について

質問
性交または性交類似行為を不当に賛美した図書を児童が閲覧することは避けるべき[エエエエエ!道徳を政治・行政が判断することを民主は認めるの?]表現の自由を主張する者には責任も発生するが[本当ですか?ここは憲法学者の意見をぜひ聞いてみたいところ]不健全図書に指定されるような図書を出版する業者が存在する[出版がいけないの? 都ですら建前上そうは言ってないが? 自主規制をぶっちするのがいけないんじゃないの? しかも2冊/月だよ?]。都はいかにして、条例改正の必要を感じたか。

回答
現行条例は描写の刺激度合いによって指定の基準を決めている。「刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為を不当に賛美」する図書は、必要以上に反復して描写することによって、青少年の強姦・近親相姦などへを抵抗感を弱めるものだ。しかし描写においては刺激度合いが少ないので、一般書棚で販売している。したがって、改正案で新たな基準を設けた。業界との連携は重要だが、不健全図書指定の51%が業界基準に従わないアウトサイダーが発行しているもので、自主規制だけでは無理がある*2

(6)関係業界との協力について

質問
業界は出版ゾーニング委員会を新たに設けるなど、更なる自主規制を進めると言っている。これを尊重するべきと思うが。

回答
自主規制は基本である。自主規制から漏れたものより不健全図書指定をしている。新たな自主規制も歓迎する。意見交換をきめ細やかに行っていく。

(6.5)予定にない質問

質問
国では児童ポルノ禁止法改正案で単純所持の処罰規定が論点となり廃案となっているが(「日本くらいだよ!とヤジ」)、これについてはどう考えるか

回答
所持への処罰は前回改正案にもない。今回は取り組みを求める文言に改めた。

浅野都議が一つの基準としてあげていた「個別指定を固持」が都から示されましたね。そしてそれが何の保証にもならないことは鈴木力氏が具体事例を挙げて指摘する通り。民主全体の党議がこれで決まるのか分かりませんが。うーん。今一度、条文第一に立ち返っていただきたいな。以上です。

*1:。12月6日開催のイベント「『非実在青少年規制』改メ『非実在犯罪規制』へ、都条例改正案の問題点は払拭されたのか?」において、民主浅野克彦議員が「都から個別指定を固持するという答弁を引き出せれば賛成できる」と発言している。これに対して元週刊プレイボーイ編集長鈴木力氏曰く「当局の答弁を引き出すことで抑止することは危険。小渕政権下で『卒業式・入学式における日の丸・君が代完全実施』の職務命令を公立学校に出した時『絶対に強要しない』と明言していた。しかし今、都は拒否した教員を処分している。当局は絶対に拡大解釈する」

*2:ここは言い分が食い違っている。前述イベントにおいて日本雑誌協会・編集倫理委員会委員西谷隆行氏が「アウトサイダーに対しても説明会に参加してもらっているし、そこから小口シール留め、いわゆる青シールが産まれた」と発言。また、この率は高ければ高いほどむしろいい状況であることに注意。不健全図書のうちアウトサイダー率100%なら自主規制参加団体の自主規制が完璧に機能していることになる。どのみち51%と言う数字はいかようにも解釈できる。ここは何も言っていないに等しい