池袋防災館(4)

佐藤さん暁に死す

いちばん楽しみにしていたのがこれ。ゴム人形さんに人工呼吸と心臓マッサージを施す。

  1. 肩を叩き、反応を見ながら呼びかける。『散歩の達人』では「佐藤さーん」と叫ぶことになっていて、ワクワクしていたのだが、今回は知らない人という設定。「分かりますかー!?」というセリフ。佐藤さん全くの無反応。意識がない。
  2. 周りの人に119番通報をお願いする。「救急車呼んでくださーい」と叫ぶのでなく、特定の一人を指さして「あなたが119番してください」と言うよう指導される*1
  3. 気道確保。これは簡単誰でもできる。端正な佐藤氏があごをのけぞらせているのはなかなか耽美な感じだ。しかし彼は意識停止状態。萌えている場合ではない。
  4. 呼吸を確認。自分の頬を佐藤氏の口鼻に近づけてみる。一片の風の流れも無し。頬を近づけると腹も見えるので、動いているか確認。全く静か。呼吸が停止しているようだ。
  5. 人工呼吸*2。鼻をつまんでマウスtoマウスで2回吹き込む。佐藤氏にはセンサーがついていて、どの程度空気が入ったか分かる。吹き込む量が少なくてもダメだが、入れすぎもよくない。女性は入らず苦労することが多いようだが、私の場合は入れすぎに要注意。肺活量だけは妙にあるんだよな。佐藤氏無反応。循環は戻らない。ここまで来てしまったら心肺蘇生法だ。
  6. 心臓マッサージ−心肺蘇生法。掌底で胸を圧迫する。100回/分なので「軽快に!リズムよく!」という感じ。佐藤氏は心臓にもセンサー付属。見かたを後で説明されたが、圧迫位置へのアラートが出っ放しだった。私は佐藤氏のハートをつかみ損なったようだ。まあ位置はあまり厳密でなくていいらしいので…。心臓マッサージ15回+人工呼吸2回を1クールとして、救急車が来るまで繰り返す。救急車が来るまでって…重労働だ。

こんなにがんばったのに佐藤氏が蘇生することは遂になかった。
にしても、ショックだったのは、「相手が出血していたら絶対血に触れないように」とか、「人工呼吸はハンカチ越しに」という指導。HIV予防。脚注の件といい、救急は性悪説でやるものなんだね。

*1:つまり、救急手当てをしているのに、野次馬が無責任に突っ立っていて通報しなかった事例があるということだよね。ひでー。

*2:手近な人間で試さないでください。呼吸のある人間に人工呼吸するのは危険だそうです。