都議会本会議傍聴記 民主松下玲子都議一般質問

9/29都議会本会議  一般質問
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/schedule/third.html

松下都議の質問事項は子育て支援について、青少年健全育成について、治水行政について、道路行政についての4点ですが、ここでは青少年健全育成についてレポートします*1
※都側の回答が6点にまとめられているのに対して、松下都議の質問を6点にまとめていません。6点とまとめること自体が都側の解釈に依るものであるからです。

松下玲子都議(民主)一般質問

知事の所信表明演説において

子供たちは、インターネット上に氾濫する有害な情報や悪質な性行為を描いた漫画等を容易に手にすることができる現況にあり、これを放置すべきでないことは誰の目にも明らか
 平成22年第三回都議会定例会知事所信表明
 http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/HATSUGEN/SHOUSAI/30k9l100.htm

と述べているが、「悪質な性行為を描いた漫画等」とは具体的にはどの作品か? 「容易に手にすることができる現況」とは具体的には?
そもそも、現状が大問題であるという都民の声がどのくらい寄せられているのか?(大怒号)
(不健全図書の対策をするとしても)方法論について議論があるはずだ。都民・有識者の意見をもっと採り入れていくべき。
それとも、不健全図書が減っているとしても、自主規制がまだ足りないと言う問題か? であれば青少年健全育成審議会で指定を強化していけばいいことではないか。現行条例の運用で対応できる。区分陳列が十分でないと言うことであれば、さらに取り組めばよいことではないか。
都議会での改正案否決、パブリックコメントの反対多数、自主規制が取り組まれていることは重くみるべきでは。
条例改正案の警察での説明会があったらしいが、その会の名前と回数、概要を教えてほしい。否決議案を説明するとはどういうことか。それはオープンにやるべきではないのか[超びっくり。初耳だったのは私だけでしょうか。これはとんでもないことです!]
改正案を再度提出するなら、(一度否決されているのだから)青少協のメンバーを刷新するべきでは。答申作成からやり直すべき。専門家の意見も真っ向対決しているのだし。
子供の健全な育成と芸術文化は対立させるものではない。
改正案については、0歳から18歳がひとくくりの扱いになっていることも違和感を覚える。出版業界ではさらに細かい年齢別レーティングも検討している。

都職員[所属聞き損ないました]むらたじゅん氏倉田潤青少年・治安対策本部長の回答*2

6点回答する。

知事初心表明演説について

青少年の性交類似行為を不当に賛美し又は誇張するように描写した作品だ[具体的にと言うとろーが。回答の替わりに改正案丸読みすることが多々あるが、これはなんとかならないのだろうか]。その中でも不健全図書に該当しないものが一般書棚に置いてある。これは都職員が都内書店に行って確認している。

現状が問題だとする都民の声について

都民からメンバーを集め答申を作成している。これを重く受け止めている。
実際のマンガ作品を見た都民は一様にこのようなものを子供に見せてはいけないと言う意見だ[見せたマンガが不健全図書指定のものか、不健全図書指定されていないものかについては不明]。このようなものの規制を求める署名が4万4千集まっている。青少協へも意見がきている[数字あり]

現行条例の運用で対応できるのではないかという件について

現行条例は「刺激度合い」が基準である。少年に対する強姦や、合意があっても近親相姦など、反社会的だが描写の刺激度合いの低いものに対応できない。[ここは大事! 口が滑ったのだと思われますが、はじめて「反社会的」という単語が出ました。この改正が青少年のためでもなんでもなく、治安条例なんだということ、語るに落ちている]

警察での説明会について

家庭や地域の教育が大事と言われる。よくわかっている。であるので、問題になっているマンガの現物をもって説明する会をしている。その賄改正案についてふれることもあるだろう。警察署においてやっている。会の統一した名前はない。[反対派が家庭や地域での教育が大事といっているのは官憲の介入を許さないと言う意味なのですが、みごとに都合よく真反対に解釈されました。家庭が大事だから、家庭に対して警察の方から勝手な倫理感に基づいて説明会をしているそうです。その根拠になるべき条例改正案は否決されたのにも関わらず、です]

青少協のメンバー刷新について

答申ベースで改正案を作った。都議会において参考人も招致した。このような経緯でやっているので、青少協の再度諮問は考えていない。[だからーそれは6月否決分の改正案の話で、それが否決されたからメンバー選定からひっくり返せと言う話なのだが]

レーティングがひとくくりであることについて

業界との意見交換もやっている。



15分の一般質問ですが、行政が先走り、警察において勝手に改正案の案内を市民向けにやっていること、結局取り締まりたいのは「反社会的」な創作物であることが明確になったショッキングな都議会でした。以上です。

*1:子育て支援青少年健全育成条例改正反対が、松下都議の中では両立しているということは注目するべきところです

*2:指摘により修正