チョコレート・コスモス

チョコレートコスモス

チョコレートコスモス

恩田さんも多作で森に行っている間に置いてかれっぱなしですよ。
これは1年も前の作品ですが、言わずと知れた恩田版「ガラスの仮面」。メインテーマは「恐ろしい子…!」
私は「ガラスの仮面」の良い読者ではないけれど、恩田さんのガラカメの読み方、共感できるなあ。
恋愛とか親子関係、どうでもいい。稽古の課題に対するマヤの異常な解釈とか、亜弓さんの恵まれコンプレックス、役との一体感などが読みどころなんだよね。
その辺をきっちり押さえていて楽しいです。主人公「飛鳥」の才能の発揮の仕方はちょっと気持ち悪い域に達していて、まあちょっとアブナイ人。「ガラスの仮面」ではコミカルに描かれる天才のエキセントリックさが容赦なく不気味に描かれています。
主人公にテクニックはあるが自意識が全くないこと、主人公のやってるのは演技じゃなくて演出であること、そして何より肝心の舞台に到達せず作品が終わることwwwなど、本花への皮肉もありますが基本的にはリスペクトいっぱいのたのしいオマージュ。