携帯なら許される そして大人が読む太宰

ぼーっと立っていることが苦手で、かつヘッドフォン嫌いなので、信号待ちで本を読んでいたりする。四六の単行本など開いているとメチャクチャ浮きますな。
なので、Win機に機種変したのを機に、電子書店パピレス経由で青空文庫を読んでいる。交差点で携帯いじってるなら普通よね。実際には森鴎外ヰタ・セクスアリス *1』など読んでいるわけですが。
で、意外と面白いのが太宰治。太宰はティーンのうちに読んでおけという定説を、私も信じていたのだが、なんか、平気です。軽い読み物として楽しめてしまう。太宰のダメ男っぷりが可愛いというか*2
しかしそれは読み手の言い分。もし太宰本人がこの境地に入ったとすれば、そのまま作家としての危機ということ。自分のダメさを笑えることは、自意識から脱却したということ。自意識にがんじがらめでない太宰なんて……。しかもこうなったら元には戻れない。ウリがなくなったのだ。こりゃもう自殺するしかないかも。
もしかしたら、自己嫌悪でなく、自己肯定の萌芽が太宰を殺したのかも。なんてね。

*1:奥さん、硬派←→軟派って、恋愛に興味あるなしじゃなくて、男色←→女色って意味みたいよ! 鴎外先生が言ってるんだからホントよー。

*2:まあ短編だからかもしれない。『人間失格 (集英社文庫)』を今再読する勇気はさすがにない。