カバーはかけない
書店カバーをはずすようになった。外で読んでても、剥きだしのまま。
もともとカバーをかけていた理由は、他人に読んでいる本を知られたくなかったから。なんとなく脳内だだ漏れな気がして。
しかし最近の出版点数を考えたら、「他人に読んでいる本を知られる」ことなんてほとんどないことに気づいたんです。
平日の丸ノ内線で本を読んでいたとして、表紙を見る人が20人。ランダム抽出した20人が自分と同じ読書傾向で、タイトルや著者名から何か感じるなんて機会はほぼ皆無じゃなかろうか。
今読んでいるのは『モーダルな事象』。発売1週目時点で紀伊國屋本店の小説分野では10位に入っていて、つまりベストセラーなのだが、その分多めに見積もっても、「こいつ『バナールな現象』は読んでいるのだろうな?」とか「今時新本格かよ!」とか「このシリーズは京極夏彦が装丁しているんだよね。そっちから流れた人かな?」などという目で見られる可能性はまあ限りなく0に近いかな。と。
- 作者: 奥泉光
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/07/10
- メディア: 単行本
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