夢幻紳士 迷宮編

ミステリ・マガジンで連載していた3部作の完結編。これだけ読んでもワケわかんないので幻想編rakuten:book:11361408、逢魔編rakuten:book:11811751必読。

往年の美貌を取り戻す…どころかそれ以上に美しくなって夢幻魔実也が帰ってきた。萌え死に必至。耽美の極み。絵柄は2つ3つのタッチを使い分ける凝りようで、マンガ表現の極北と言って良いでしょう。しかもチャンピオンの連載経験が効いたのか、絵が動きまくる! 冒険活劇編の頃と比べても、空間表現が立体的になってマンガ的に楽しい。幻想編での按摩剣客とじゃれ合っている絵が最高。何時間見てても飽きない。

ストーリーも趣向満載。幻想編では主人公の分裂人格として夢幻氏が現れます。別人格なので本来の毒のない、女性読者に都合の良いアマアマ萌え萌えな夢幻氏などというびっくりするようなキャラクターを楽しめる。逢魔編では夢幻氏が一晩酒を飲んでるだけというシチュエーションで、妖怪ハントものを敢行しています。迷宮編は前作、前々作の登場人物を見事に結びつけて一つの物語にまとめきった離れ業。

高橋葉介の主要モチーフであるところの、どろっとした水と水死した女の幽霊、寝たきり老女、空を飛ぶ少年少女などが的確にちりばめられてファンには大満足。さらには今までになく、成人夢幻と健全な人間関係を結び得る強くてかわいいヒロイン達が魅力的。

いやー幸せな3年間を過ごさせてもらったなー。