生物と無生物のあいだ

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ」と言う本がめちゃくちゃ売れているということは知っていて、ちょっと気になってはいたのだが、著者が「プリオン説は本当か?」の福岡伸一教授だということに気づいていなかった。分かってたら発売日に買ったのに^^;;;!
プリオン説は本当か?」では福岡さんの筆力に夢中になった。狂牛病の啓蒙書で楽しい読書体験をさせてもらったんだからこれは大変な事だ。
その福岡さんの新刊なんだから面白さ保証付き!ということで気づいたその日に安心して買った。
やっぱたのしー分子生物学の歴史や基本的な手法をあっちゃこっちゃ飛びながら分かりやすく教えてくれます。
一見冷たく見える*1理系の研究の場のとてつもない人間臭さ。権謀術数。ピア・レビューってだいじょぶなの?と門外漢は思っていたのだが、やっぱあるんだそーゆーことが…
PCRという機械の登場によって劇的に変わる研究のステージ。エキサイトしている学者さんたちがかわいーな。
しかし、結局ここで紹介されている著者自身の研究は失敗に終わったと言う事? 失敗と言うより、研究は続くというところか。ある遺伝子を完全にノックアウトすると生体の方でなんとかしてしまい、異常がでないので遺伝子の役割が証明されないと言うのにはびっくりだ。
そしてすばらしく美しいあとがき。秘密の四角い湖。鮮やかな多数の蝶の屍骸。タルコフスキーみたいだ。松戸なのに!
勢いで爆笑問題との対談集も買ってみたが、そっちの方がピンと来なかった*2。芸能人との対談より分かりやすい科学啓蒙書って!

あとこの本読むと、タンパク質を控えるダイエットがどんなに危険か分かりますな^^;;。

*1:らしい。私は文系ながら、全然そんな印象はないが。

*2:まああの「爆問学問」って番組なー。何聞いても太田が自分の話をするだけという。