ヤンキー文化論序説

ヤンキー文化論序説

ヤンキー文化論序説

期待はずれ。目のつけどころは面白いが、それだけ。

適当にその辺の人気評論家に依頼したら「私はヤンキーについて知らないので、スタンダードな評論は他の先生にお任せして、私ならではの一風変わった視点の軽い読み物を提供しましょう」という原稿を全員が寄稿したという体。なにしろ、取材記事が2つしかないし、この本のために新たに取材したものは皆無。意図的に依頼の意図を読み違えてヤンキーと全く無関係なこと描いてるのもいるし。磯辺涼の記事なんか要らないでしょ。

だいたいまず、本を読み書きする人間にヤンキー自体に興味のある人間なんてただの一人も存在しないんだから、それの社会学的意味とか、美学的意味とか、一段メタに上がった部分で論じる本だとばっかり思ってたんだけど、現象の紹介に留まっている。「ヤンキーはバロックである」とか、ヤン車見た100人が100人思うことを口に出して言わないでいただきたい。恥ずかしい。

ここまで書いて、本を見直したらタイトルに「序説」とありました。まあこれからなのか。