秋葉原無差別殺人事件がらみで本田透を読み返した
- 作者: 本田透
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2005/03/12
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 343回
- この商品を含むブログ (411件) を見る
- 作者: 本田透
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2008/04/24
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 119回
- この商品を含むブログ (51件) を見る
- 作者: 洋泉社ムック編集部
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2008/07/29
- メディア: ムック
- 購入: 7人 クリック: 158回
- この商品を含むブログ (33件) を見る
加藤容疑者の薄っぺらい勝ち負け感覚がなんともやりきれなく…。もちろんロスジェネ世代の経済的な救済策は全世代で考えていかねばならない国力に関わる問題だけど、「彼女がいないから負け組」というのは別の問題。世代論と関係ないでしょう。
そういう浅はかな勝ち負け競争からは、降りればいいじゃん。たとえ自分以外のすべての人間が「恋愛ができない人間=コミュニケーション能力の低い人間=クズ」と思っていたとしても*1、自分は別の価値基準で楽しく暮らせばいいことじゃん。そのための物質的なインフラは整っている。カネがなくても使えるインフラが、だ。でも加藤はそのための代表的なツール=ゲームソフトを売ったお金で凶器を買ったのだよね。降りきれなかった、降りるメンタリティに欠けていたわけだ。だったら「電波男」でも読んどけばよかったんじゃないですかと思うわけです。
と言う感じで「電波男」「世界の電波男」を読み返していたわけですが。「電波男」の段階でほぼ正確に加藤の出現が予告されているなあ。「世界の電波男」は何でもかんでも喪男に結びつける牽強付会文学論。全体的にネタとして楽しく読めるが、猿田彦を中心に据えて読む鬼気迫る「火の鳥」論には涙*2。