この世界、そして花火

ジム・トンプスン新刊。短編や未完作品、素描を集めたものでファンのためだけの本。

この世界、そして花火 (扶桑社ミステリー)

この世界、そして花火 (扶桑社ミステリー)

油田の風景

素描だが面白い!著者の描写力がよく分かる。

酒びたりの肖像

自伝。アル中作家のアル中話は不謹慎ながら面白い。

システムの欠陥

しゃれてる。楽しい! 高度にシステム化された経営手法の下で静かに進行するストレスをつく詐欺師の手法。

4Cの住人/永遠にふたりで

まあこの2作は…よくある怪談と言うか、リーダーズダイジェストレベル。57年のペーパーバックだものこんなもんか。他の作品のレベルがむしろ異常なのであって。

深夜の薄明

未完ながら、いつものトンプスン主人公の感じが楽しめる。

この世界、そして花火

主人公が男女の双子なのが珍しい。これ読んでて、すごい説を思いついた! 次のエントリで。


翻訳の三川基好さんは亡くなっていたのか。合掌。お疲れさまでした。
http://e-days.cc/cinema/column/takimoto/200905/27162.phpここによると、トンプスン翻訳はこれで最後になるかもしれないとのこと。えー。このミスで1位を獲った作家が9年後には読めなくなる、そういう状況ですか。