餃子作ったお!
学生時代電総研でバイトしていて、餃子パーティーになった。新入りが来るたびにやっているらしい。中国人の研究員が皮担当。実験用の大きな机を拭いて、そこで練る。
餡は中国人研究員のレシピに従い、他の人間が作る。キャベツと豚ひき肉、あと叩いた海老。ニラとニンニクは入れない。これは日本のアレンジなんだって。海老がぷりぷりしておいしい!
餃子はお湯でゆでて、ニンニク醤油で食べる。余ったら冷凍。研究所の冷凍庫には死ぬほど餃子が詰まっていた。
中国人研究員曰く「中国人だからって中華料理の達人と思われちゃ困るんだけど、『餃子くらいは作れるようになっときなさい』とお母さんに仕込まれたんだ」そうです。中国のどこの地方の人かは聞けなかった。
まあそんなわけで、餃子の皮の作り方を盗んだのだった。盗むと言っても粉にお湯入れるだけでパスタとしては破格に簡単。ただ丸く伸ばすのがとても手間。
今回は焼き餃子で、餡も日本風にキャベツと肉と春雨。伸ばす途中で力つき、夫に手伝ってもらってしまった。
七夕とキリン一番搾り
七夕ということで、思い出したことをつらつらと。
私の「イナカ」*1は仙台なので、夏休みは七夕にあわせて帰省していました。仙台の七夕は8/6〜8/8なんです。国分町などの大きなアーケードもそりゃすごいですが、小さな街の商店街も可愛い飾りを出してて風情あってよいものです。
七夕以外にもう一つ欠かせないイベントだったのが、キリンビールの夏祭。近くに工場があり、キリンビールは地場産業という感じだったのですが、なんだかやたらに父親が張り切って連れて行ってくれていたものでした。おこちゃまはキリンレモンとキリンオレンジが飲み放題で大満足。あと縁日も出てたかな*2。なんで父親がこのささやかな催しにあれだけ張り切っていたのか、いまいち謎だったのでした。
謎が解けたのは、キリン一番搾りが発売された時でした。父親が新発売のそれをはじめて飲んで、「これ!あの味だよ!」と大喜び。聞くと、キリンの夏祭りでは、大人にはビールを振る舞っていたのだそうです。これが日本酒や焼酎で言うところのハナタレで、ラガーとは違うフレッシュさで大人気だったのだとか。そこでしか飲めないということで、毎年父は私と妹を連れて繰り出していたというわけでした。
というわけで、一番搾りと七夕は私の中では分かちがたく結びついているのです。
*1:父母の帰省先。一族のルーツではない。父方の祖父は富山出身で、神田で修行して疎開先の仙台に印刷所を構えた。母型の祖父は新潟出身の転勤族の銀行員で、最後の赴任地が仙台。流れ着いた先が仙台だったと言うだけで、こういうのふるさととは言わないだろうけど、なんと呼べばいいのか分からない。
*2:ちなみに、この縁日と言えば「ニッキ棒」が大好きでした。シナモンスティックみたいに巻いてない木の棒で、何の味もついてないのですが噛んでると時々ガツーーーーーーンとニッキの香りが!泣くほどスパイシー。背骨が痙攣するほどのニッキ風味がいつ来るか、このスリルがやめられない! 今調べたら、ニッキの根だって。今は食管法的に売れない(!!)ものだそうです
キアズマ珈琲
雑司ヶ谷のキアズマ珈琲。4月のオープン直後に行っていて、今日は2回目。
古い住居を改装したおしゃれなカフェ。手塚治虫が長く住んでいた並木ハウスの別館なんだって。おしゃれカフェはコーヒーがマズイのが定説だけど(別基準で好きだけど)、ここは前を通った瞬間素晴らしい芳香で、ふらふらと呼び寄せられました。新進気鋭の珈琲店。お奨めです!
↑ぐぐったらどいつもこいつもこのアングル。恥ずかしいwww。店内から他のお客さんに迷惑かけずに撮ろうと思うとここしかない。写真では分かりませんが、昔の窓ガラスで、ゆがみが懐かしい。
今日はアメリカンブレンド。最近浅煎りも守備範囲に入ってきた。
2階もあるけど入ったことない。ソファがあるらしいのでぜひ行ってみたい。
おまけ。鬼子母神の鳥居。
赤い鳥居と赤いおじさん。
ジム・トンプスンの主人公はスイーツ(笑)
トンプスンはとにかく主人公の性格が独特で、評価されている後半の破滅・狂気へのカタストロフもこの性格あってこそ。
以前はジム・トンプスンの主人公像を「2chのA型コピペのような性格」と言っていた(以下改変コピペ。赤字のとこしか変えていません。)。
<トンプスンの主人公の一般的な特徴>(見せかけのもっともらしさ(偽善)に騙されるな!!)
●とにかく神経質で気が小さい、了見が狭い(臆病、二言目には「世間」
(「世間」と言っても、アメリカの田舎町を中心とした一部の人間の動向に過ぎない))
●他人に異常に干渉して自分たちのシキタリを押し付け、それから少しでも外れる奴に対しては好戦的でファイト満々な態度をとり、かなりキモイ
(自己中心、硬直的でデリカシーがない)
●妙に気位が高く、自分が馬鹿にされるとカッと怒るくせに平気で他人を馬鹿にしようとする
(ただし、相手を表面的・形式的にしか判断できず(早合点・誤解の名人)、実際にはたいてい、内面的・実質的に負けていることが多い)
●権力・強者には平身低頭だが、弱者に対しては八つ当たり等していじめる
(強い者にはへつらい、弱い者に対してはいじめる)
●あら探しだけは名人級でウザく、とにかく否定的
(例え10の長所があっても褒めることをせず、たった1つの短所を見つけては貶す)
●基本的に悲観主義でマイナス思考に支配されているため性格が鬱陶しい(根暗)
●少数派の異質・異文化を理解しようとせず、あるいは理解を示さず、排斥する
(差別主義者、狭量、視野が狭い、多数派=正しい と信じて疑わない)
●集団によるいじめのリーダーとなり皆を先導する(陰湿かつ陰険で狡猾)
●他人の悪口・陰口を好むと同時に、自分は他人からどう見られているか、人の目を異常に気にする
(自分がそうだから容易に他人を信用できない、ポーズだけで中身を伴っていない、世間体命)
●自分の感情をうまく表現できず、コミュニケーション能力に乏しい
(同じことをレコードの再生のように何度も言って変)
●たとえ友達が多い奴でも、いずれも浅い付き合いでしかなく、心の友達はおらず孤独
(心の感度が低く、包容力がなく、冷酷だから)
●頭が硬く融通が利かないためストレスを溜め込みやすく、また短気で、地雷持ちが多い(不合理な馬鹿)
●たとえ後で自分の誤りに気づいても、素直に謝れず強引に筋を通し、こじつけの言い訳ばかりする
(もう腹を切るしかない!)
●男は、女々しいあるいは女の腐ったみたいな考えのやつが多い
(例:「俺のほうが男前やのに、なんでや!(あの野郎の足を引っ張ってやる!!)」)
変わってる。こんな性格の人物他の小説であまり見ない。こんなクズなのになんだか魅力があって、小説の最後まで付き合ってしまう。
ところが今回、「この世界、そして花火」を読んで「へえ」と思ったんだが、主人公の双子の妹はごくごく普通の、凡庸と言っていいあばずれなのだった。で、この妹、主人公と全く同じ性格なのだ。同じ性格設定なのに、女だと凡庸なキャラクターに、男だと超個性的に見えるわけ。
つまり、トンプスンの主人公って、女なのだ。セクシャリティーはへテロだし、アメリカ的マッチョイズムに迎合しているのだが(それも演技だが)、とっている戦略と目的が女。
- 自分が前に立たず、他の人物の成功を支えたり、おこぼれを狙ったり。
- とにかく生意気に見られると人生終了と考えており、バカの振りをする。
- 暴力は嫌い(実行できているかはともかく)。口先でごまかす方がよいと考えている。
- 外見を洗練させることにこだわる。ファッションと身だしなみはマナーのためでなく、あくまで3行前の戦術のため。
- そこまでやっておいて、欲しいのは小金と安定。
- 非常時にパニクる。
というわけで、トンプスンの主人公はスイーツ(笑)だったんだよー。ナ、ナンダッテry)
「失われた男」はさほど重要ではないと思ってたが、実は非常に象徴的な作品なのかも。
[rakuten:book:11873464:detail]
私が特に好きなのは(初めて読んだということもあって)「ポップ1280」。上記に加えて、主人公は自分を天使だと考えている。ますますスイーツ(笑)。
[rakuten:book:11826634:detail]
この世界、そして花火
ジム・トンプスン新刊。短編や未完作品、素描を集めたものでファンのためだけの本。
- 作者: ジム・トンプスン
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2009/04/28
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油田の風景
素描だが面白い!著者の描写力がよく分かる。
酒びたりの肖像
自伝。アル中作家のアル中話は不謹慎ながら面白い。
システムの欠陥
しゃれてる。楽しい! 高度にシステム化された経営手法の下で静かに進行するストレスをつく詐欺師の手法。
4Cの住人/永遠にふたりで
まあこの2作は…よくある怪談と言うか、リーダーズダイジェストレベル。57年のペーパーバックだものこんなもんか。他の作品のレベルがむしろ異常なのであって。
深夜の薄明
未完ながら、いつものトンプスン主人公の感じが楽しめる。
この世界、そして花火
主人公が男女の双子なのが珍しい。これ読んでて、すごい説を思いついた! 次のエントリで。
翻訳の三川基好さんは亡くなっていたのか。合掌。お疲れさまでした。
http://e-days.cc/cinema/column/takimoto/200905/27162.phpここによると、トンプスン翻訳はこれで最後になるかもしれないとのこと。えー。このミスで1位を獲った作家が9年後には読めなくなる、そういう状況ですか。
STAR TREK
STAR TREK観てきました。
黒歴史開陳シリーズになってますが、おそらくキャラ萌えと言うものを初めてしたのがスポックで。
まあ私が入ったのはTVシリーズのTOSでなく、早川のノヴェライズですが。ジェイムズ・ブリッシュはじめ、当代随一のSF作家が書いてた*1。まあSFとしては特に語ることもないサイファイで*2、TOSはあくまで人間ドラマとして萌えてました。
なのであまり映画に興味がないのですが、「若いスポックを見るためだけにでも行け」というレビューをどっかで見たのと、マイミクさんの強力プッシュにより、映画の日に行ってきました。今回の映画はTOS前夜。若きカークとスポックの物語*3。
結論としては、おいしーーーーーー!!!!スポック萌えのための映画だよーー!!!!
押さえてある基本(なのでネタバレしとく)
- カークがスポック罵倒してキレさせてた!
- キレたらスポック手ぇつけられない!
- カークは女の尻を追っかけ回す。スポックは黙っててもモテル
- ヴァルカン掴み
- 転送は大事だ
新たな感動ポイント
- 新スポックのザカリー・クイント素晴らしい。片眉がもう少し上げられれば完璧だった。
- アンファン・テリブルなちっちゃいカーク
- ウーラさん*4とスポックーー?? しかもスポック応えてるし! チャペルさんは単にタイプじゃないってことなのか??
- カークという人は相当変な人ではなかろうか、なんでクルーはついてくの?と言う疑問に見事に答えている
- ダメ男の色気溢れる若きボーンズ。USSエンタープライズに乗んなくてもヒモでやっていけるんじゃ。
- スコッティ宇宙レベルの天才じゃん。調査船の機関長に収まるような器じゃない。
そしてそして。
レナード・ニモイ演ずる老スポック! 論理と感情の見事に融合した魅力的な老人として描かれており、カークもその人間的魅力に一目で魅了される。表情が豊かなの! 顔がぐにゃぐにゃ動くの!「感情があるのか」という問いにあっさり「ああ」と答えるの! そこに至るまでのスポックの長い人生…寿命から考えてかなり早い段階でカークとの死別も経験するはずの…が思い起こされ、泣きそうになってしまいました。
しかし、アクションシーンでカメラ手持ちにするのやめて欲しい。「クローバーフィールド」のJ.J.エイブラハムズだからしょうがないのか?
あと、「あの崖」を出して欲しかったなー。ヴァルカンが出ると必ず映ったあの崖。他のハリウッド映画でもよく見る。
二重人間スポック!―宇宙大作戦 (ハヤカワ文庫 SF 50)
- 作者: ジェイムズ・ブリッシュ,斉藤伯好
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1972/02
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- 作者: レナードニモイ,Leonard Nimoy,富永和子
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2001/04/01
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